太陽の恵みを受け、真っ赤で甘味のある野菜、トマト。
その鮮やかな色彩で食卓を美しく飾るトマトには、注目すべき健康ポイントがたくさんあるんです。
そんなトマトの驚くべき健康効果や、つい誰かに話したくなってしまうトリビアについてお話しさせていただきます。
トマトの概要
野菜にはいくつかの分類基準があり、トマトはその中でも緑黄色野菜に分類されます。1日における理想の野菜摂取量350g中、120gは緑黄色野菜とするのが良いとされています。
トマトは収穫時期によって春冬トマトと夏秋トマトに分けられます。
主に産地として
- 春冬トマト・・・熊本県、愛知県、千葉県
- 夏秋トマト・・・北海道、茨城県、福島県
となっており、収穫時期によって産地も異なってきます。
トマトはカロリーが低いことでヘルシーなイメージがある反面、「栄養がない」と言われることもありますが、これは大きな誤解です。
トマトは実は栄養素の宝庫と言っても良いくらい、栄養豊富な神野菜なんです。
では、どんな栄養が含まれているのでしょうか?
栄養素と健康効果
トマトに含まれる栄養として、よく知られるものにリコピンがあります。
これはもう、トマトに含まれる栄養素の代名詞と言っても過言ではありません。
リコピン
リコピンには強い抗酸化作用があり、その威力はベータカロテンの約2倍、ビタミンEの約100倍にもなります!
人間は呼吸によって酸素を取り入れる際、より活発に働く活性酸素というものまで取り込んでしまいます。これが過剰になると、体が錆びるという恐ろしいことになってしまうのです。
体が錆びると、シミなどのお肌のトラブルや動脈硬化などによる生活習慣病にかかりやすくなってしまいます。
リコピンはそうしたリスクを軽減させてくれるための抗酸化作用が強いので、積極的に取り入れることで血液がサラサラになり、生活習慣病を予防できるのです。
カリウム
カリウムには過剰摂取となった塩分を外に出してくれる働きがあります。具体的にはナトリウムを外に出すための肝臓の働きを助けます。
これにより、高血圧予防が期待できます。
ビタミンC
ビタミンCには免疫力アップと美容効果が期待できます。きちんと摂取するにより、風邪予防などの対策ができます。
なんと大きめのトマト(250g)1個で、一日に必要なビタミンCの1/3が接種できちゃうんです。
さらにビタミンCはカルシウムや鉄分などの効果も上げてくれる作用があるので、それらの栄養素を含む食材と一緒に食べると良いいでしょう。
リノール酸
トマトに含まれるリノール酸(13-oxo-ODA)には脂肪燃焼効果が期待できます。タンパク質の生成を助け、血糖値を下げてくれます。
クエン酸
クエン酸には胃の粘膜の炎症を抑える効果があります。食欲がない時などは、まずトマトをかじってみるとよいでしょう。
リンゴ酸
リンゴ酸には乳酸の分解を助ける働きがあり、疲労回復効果が期待できます。
飲み会の付き合いが多い方は二日酔い対策としてトマトが有効です。また夏バテ対策も期待できるので、暑い日は冷やし中華に是非トマトを取り入れてみてください。
ペクチン
トマトのしっかりとした食感のもととなっているもとで、水溶性の食物繊維です。コテステロール値を下げる作用があり、健康診断の結果が気になる方には是非接種していただきたい栄養素です。
ベータカロテン
免疫力を高めたり、活性酸素を抑える効果のあるビタミンの総称をビタミンACE(エース)といいますが、うちビタミンAに関してはベータカロテンというものが変換されて作られます。
このビタミンAは免疫力向上のほか、視力維持や肺の健康維持に役立ちます。
また変換は必要な量だけ行われるので、過剰摂取になることはありません。
これらの栄養素による健康効果のほか、トマトにはアルコールの分解作用があるようです。
2012年に発表された研究結果によると、血液中のアルコール濃度をなんと約30%にまで下げるそうです。
ミニトマトについて
トマトには通常のサイズの他、小さめのサイズのミニトマトというものもありますね。
ミニトマトは浅漬けやナムルなどに使われることが多く、またお弁当の彩りを良くするためのアクセントとして大活躍!
実はミニトマトの方が通常トマトに比べ、ビタミンCやベータカロテンなどの栄養価が高いんです。
ミニトマトにもいくつか種類があり、形やカラバリも様々。
中にはイチゴのかたちをしたものもあるそうです。
代表的なミニトマトの種類をいくつか紹介します。
アイコ
スーパーで見かける一般的なものでゼリー状の部分が少なくて歯応えがあります。
カラバリとして、黄色いイエローアイコもあります。
ぺぺ
ミニトマトの中でも更に小さいもので、糖度が高くて甘いのが特徴。比較的育てやすい品種です。
ブラックチェリー
見た目が赤黒く、海外で人気の品種です。味がまろやかでジューシーですが、加熱するとすぐに崩れてしまいます。
ココ
「桃太郎」を品種改良によりちいさくしたもの。大粒で果肉もしっかりつまっていて、食べ応えがあります。
また似たような品種にプチトマトというものもありますが、これもミニトマトの一種です。
一口サイズのかわいいトマトですが、平成時代に生産が終了しました。
トマトのコラムあれこれ
普段何気なく食べているトマト、実は知られざる意外な事実が・・・
ミニトマトが先だった?!
トマトの原産地はペルーのアンデス高地。
実はトマトは元々、実の小さい野菜だったとのこと。
それが突然変異し、Mサイズなどと言われる一般的な大きさのトマトができたそうなのです。
日本では元々観賞用だった
トマトは江戸時代に日本に広まりましたが、当初は観賞用の野菜でした。
当時は、赤茄子(あかなす)、唐柿(とうし)、小金瓜(こがねうり)と呼ばれていたそうです。
それが明治の後半から食用として知られ、家庭の食卓にも並ぶようになりました。
そもそも、なんで「トマト」っていうの?
よく、「上から読んでも下から読んでもトマト」と慣れ親しまれているトマトというお名前ですが、トマトという名前にはどんな意味があるのでしょうか。
トマトがトマトと呼ばれ出したのは、メキシコ先住民があの野菜を「トマトゥル」と呼ぶようになったのがきっかけ。
ナワトル語で膨らんだ果実を意味するtomatl(トマトゥル)から、今の「トマト」という呼び名になったそうです。
野菜か果物かで裁判にまで?!
トマトはイタリアでは「黄金のリンゴ」、フランスでは「愛のリンゴ」と言われていたこともあり、どちらかというと果物として認識されていたそうです。
アメリカではトマトが果物か野菜かで裁判沙汰になったそうな?!
実は学術的には野菜や果物の定義というのは明確にはなく、両者の違いは草本植物か木本植物か、食べる際に加工を前提とするか否かでの線引きとなるそうです。
農林水産省では、畑で育つものは野菜、木に実るものは果物としており、トマトは野菜に分類され、現在は世界的にも「トマトは野菜」という認識が一般的なようです。
トマトの正しい保存方法・調理のコツ
スーパーなどでトマトを選ぶ際は、重さと皮の状態をチェックしましょう。
おいしいトマトは実がしまっているため重量もあり、また皮にもハリがあります。
またトマトには摂取したい栄養素により、おすすめの食べ方が変わってきます。
むくみ対策や高コレステロール対策、美容効果を得たいのであればサラダにすることをオススメします。
これらに有効なカリウムやペクチン、ビタミンCは水に溶けやすいため、栄養素を逃さないよう、生で食べるのが一番です。
逆に生活習慣病予防のための対策を重視するのであればトマトスープが一押しです。
抗酸化作用の強いリコピンは油と一緒に加熱することでより吸収率を上げることができるからです。
「加熱はいいけど、油はコレステロールが・・・」という方にはトマトジュースがオススメ!
リコピンはミキサーにかけるなどの加工で細胞壁を壊しても吸収率が上がります。
さらにリコピンは朝に摂ることで、より吸収率UP!
「朝にトマトジュース」
この朝活をすれば、健康面で優勝できます!
しばし、調理する際に「皮をキレイに剥きたい」という方がいらっしゃいます。
大きいトマトであればコンロで炙るか、湯むきでOKですが、ミニトマトであれば冷凍からの冷水にかけることをオススメします。こうすることで栄養成分をできるだけ維持し、しかもうまみも増すんです。
また保存する際は低温に注意しましょう。
トマトは暑さに強い反面、寒さには弱い野菜で、最低気温が10度以下ですと枯れてしまいます。
完熟トマトは野菜室、青い部分のあるトマトは常温保存しましょう。
体にやさしいトマト、でも食べ過ぎ注意!
健康面で色々と嬉しいトマトですが、それでも食べ過ぎは禁物です。
トマトは多くの水分を含んでいるため、体を冷やしやすい食べ物でもあります。冷え症の方は特に注意です。
また胆石の原因となるシュウ酸もわずかですが含まれるため、こうした面でも要注意。適量をまもり、できればカルシウムを含む野菜と一緒に取りましょう。カルシウムによって、シュウ酸をいくらか減らすことができます。
他にも免疫の過剰反応による痒みや、手の裏が黄色くなる柑皮症のリスクなどもあります。
普通のサイズであれば1個まで、ミニトマトであれば10個までを目安とし、食べ過ぎないようにしましょう。
せっかく健康効果がたくさんの嬉しい野菜、適量を守って美味しく食べましょう!
トマトのまとめ
- トマトには、生活習慣病予防や美容効果が得られる嬉しい栄養素がたっぷり
- 栄養豊富なのに低カロリーでめっちゃヘルシー
- 実はミニトマトの方が栄養豊富
- なんならミニトマトの方が先だった
- トマトは昔、果物とも言われていたが、結局野菜
- 美容効果を得たいならトマトはサラダ
- 生活習慣病予防をしたいならトマトジュース
- 朝にトマトジュースは最高の朝活
- 食べ過ぎ注意
生で食べても美味しくて、いろんな料理にも使えるトマト。
嬉しい健康効果もたくさんなので、是非とも食に取り入れたいですね。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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