みずみずしくて、カリッとした歯ごたえがうれしい野菜、きゅうり。
きゅうりはその殆どが水分ですが、実は体に嬉しい栄養素もたっぷりなんです。
今日は意外とヘルシーな野菜、きゅうりについてのお話です。
きゅうりってどんな野菜?
ここでは、きゅうりはどんな野菜なのかを詳しく解説いたします。
夏に食べたい野菜の代名詞
きゅうりの大半は水分とよく聞きますが、その水々しさがゆえに「夏の野菜」というイメージが強いですが、実は年間を通じて栽培されているので、いつでも食べることができます。
勿論、一年中いつでも食べれるきゅうりにも旬の時期というものはあります。
きゅうりの旬は6月から9月。
旬の時期に流通するきゅうりは主に畑で栽培されていますが、それ以外の時期に流通するきゅうりはハウス栽培されたものがほとんどです。
これは、きゅうりが寒さに弱い性質を持つからです。
また一般的に流通しているものは緑色をしていますが、品種によっては白いものもあるのです。
実際にどんな品種があるのか、次の章で詳しく紹介します。
品種は多種多様
実は、きゅうりにはいろんな品種が存在します。
主なきゅうりの品種を挙げてみましょう。
白イボきゅうり系
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一般的にスーパーや八百屋でみかける、濃い緑色をしたきゅうりです。
イボが白い点のように見えることから、白イボきゅうりと呼ばれています。
他の品種に比べてアクが少なく、食べやすいことより広く流通しているようです。
黒イボきゅうり系
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白イボきゅうりに比べて珍しい品種になりますが、ネット販売などもされているので入手は可能です。
味は白イボきゅうりと大差ありませんが、皮が硬めなので「カリッ」とした歯応えがもっと欲しい!という方にはオススメです。
四葉(すうよう)きゅうり
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海外のきゅうりの一種で、昭和19年に韓国から伝わってきた品種です。
成長しきった時には白イボきゅうりの1.5倍ほどの大きさとなり、25cm程度の大きさが食べ頃と言われています。
味はサラダ向きのあっさり系で、きゅうり本来のコンセプトも健在です。
四川きゅうり
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トゲが多く、パンクなヴィジュアルをもつきゅうりですが、種類的には最もポピュラーな白イボきゅうり系にカテゴライズされます。
しかし、先ほど紹介した四葉きゅうりからスピンオフした経緯もあり、独自の特徴をもつきゅうりとなります。
その特徴の一つとして、パリパリ感を持たせつ薄めの皮を実現したことから、漬物ベースとしてのスペックは高めとなっております。
ズッキーニとは別の野菜!
さて、きゅうりとよく似た野菜としてズッキーニという野菜がありますが、両者は別の野菜です。
確かに両者はヴィジュアルも酷似しており、また同じウリ科にカテゴライズされます。
しかし、きゅうりはそのままキュウリ属であるのに対し、ズッキーニはカボチャ属であるため、やはり異なる種類の野菜となるのです。
それが故に食感や栄養価も若干異なります。
例えば、きゅうりといえばカリウムを多く含むことから健康効果も大きいとされていますが、ズッキーニの方が更に多くのカリウムを含んでいます。
きゅうりの豆知識あれこれ
普段、何気なく食べてる「きゅうり」
実は、あまり知られていない意外な事実もあるんです。
もともと不人気の野菜だった?!
その昔、日本でのきゅうりの人気はあまり高くありませんでした。
というのも、江戸時代ではきゅうりを完熟してから食べるものとしていたようで、その状態だと苦味がやばかったようです。
きゅうりを「きゅうり」と呼ぶようになったのも、完熟したその色が黄色であったことから、黄色いウリ「黄瓜」に由来し「きゅうり」と呼ばれるようになったのだとか。
その美味しくなさが故に品種改良が進み、やっと水々しいフレッシュなきゅうりが完成。
令和になった今でも、多くの食卓で親しまれていますね!
きゅうりはビタミンCを壊すって本当?
少し前に「きゅうりはビタミンCを破壊する」と言われていたそうですが、これは誤解です。
実は、ビタミンCには「還元型」と「酸化型」の2種類が存在するのですが、昔は還元型のみをビタミンCと認めていました。
しかし、きゅうりに含まれるアスコルビン酸酸化酵素は、還元型から酸化型にビタミンCを変換してしまう性質があるのです。
還元型のみがビタミンCとしていた当時は、これを「ビタミンCが減る」と考えてしまったのですね。
実際のところ、還元型と酸化型は相互に再変換可能であり、どちらもビタミンCとなります。
変換が行われても、ビタミンC自体が減ってしまうわけではないので、ご安心ください。
きゅうりには栄養がない?
また、きゅうりは殆どが水分であるため「栄養がない」と言われていますが、これも誤解です。
過去に、きゅうりが「最もカロリーの低い野菜」としてギネス認定されたため、尚のこと誤解されやすくなったようです。
確かに、きゅうりは可食部100gあたり僅か14キロカロリーと低カロリーですので、ヘルシーが故ダイエット食としても注目されています。
しかし単にカロリーが低いだけでなく、それでいて多くの栄養素を含んでいることから「ヘルシーな野菜」として、野菜ファンから高く評価されているのです。
では、きゅうりにはどのような栄養素が含まれているのでしょうか?
きゅうりに含まれる主な栄養素8つと、その健康効果
きゅうりには、主に次のような栄養素が含まれています。
- カリウム
- マグネシウム
- ベータカロテン
- ビタミンC
- 食物繊維
- ビタミンK
- ホスホリパーゼ
- フラボノイド
それぞれの栄養素に、どんな健康効果があるかを解説します。
1.カリウム
カリウムはナトリウムを体外に排出する働きがあるため、摂り過ぎた塩分を減少させることができます。
そのため、むくみ解消や高血圧予防という健康効果が期待できます。
2.マグネシウム
マグネシウムは、歯や骨を丈夫にする働きのある栄養素です。
似たような健康効果を得られる栄養素として、カルシウムがありますね。
マグネシウムは、そのカルシウムが体に吸収されるのを助ける働きがあります。
3.ベータカロテン
ベータカロテンは、皮膚や粘膜、目の健康維持を助ける栄養素です。
厳密には、ベータカロテンは体内でビタミンAという栄養素に変換されてから、健康効果を発揮します。
目の健康効果については、特に暗いところでの視力維持を助けます。
4.ビタミンC
ビタミンCは免疫機能の強化による風邪予防や、コラーゲンの生成による美容効果が期待できる栄養素です。
ビタミンCを壊すどころか、きゅうり自体にも含まれています。
5.食物繊維
食物繊維にはコレステロール値を抑える働きのほか、ナトリウムを排出する働きもあるので高血圧予防にも作用します。
カリウムにも同じ作用があるので、血圧が気になる方には適量のきゅうりがオススメですね!
6.ビタミンK
ビタミンKは骨の形成、血液の凝固を助けるとともに、最近では認知症予防に役立つのでは?と注目されている栄養素です。
尚、通常の食生活で不足することはないと思われますが、肝臓病などを患っている方は不足しやすいと言われています。
7.ホスホリパーゼ
ホスホリパーゼは、脂肪を分解してくれる栄養素です。
きゅうりがダイエットに効果的なのは、カロリーの低さが故に置き換えダイエットに活用できるからというのも理由ですが、このホスホリパーゼによるダイエット効果もあるからなのです。
8.フラボノイド
きゅうりに含まれるフラボノイドは、免疫によって出来てしまう炎症から体を守ってくれる効果があります。
また、最近ではフラボノイドは記憶力の向上もわかっており、アルツハイマーの予防になるのでは?と言われています。
きゅうりをおいしく頂くポイント
この章では、買い物に行く前に要確認!おいしいきゅうりの選び方や保存方法などについて解説します。
おいしいきゅうりの選び方
おいしいきゅうりを見分けるには、次のポイントをチェックしましょう。
- イボが尖っているもの
- 先端があまり太くないもの
- 太さが均等なもの
- 濃い緑色をしているもの
- 表面にハリのあるもの
尚、現在は品種改良されたため見かけることも少なくなりましたが、たまに表面に白い粉がついたきゅうりを見かけることもあります。
この白い粉はブルームと呼ばれるもので、水分が蒸発してしまうのを防ぐためにきゅうり自体からふくものです。
よってブルームがふいたきゅうりに関しては品質に問題はありません。むしろ新鮮なきゅうりであることを意味します。
きゅうりを調理するときのコツ
きゅうりに含まれるカリウムは水溶性です。またビタミンCも比較的に水に弱い栄養です。
なので、調理する際はあまり水にさらしたままというのは好ましくありません。
もともと水々しい野菜ですので、サラダなど生でいただくのがベストな調理方法といえます。
少し応用的な調理方法としては「塩揉み」がオススメ。
きゅうりを塩揉みすることで得られるメリット
- 日持ちする・・・・水分が抜けるので保存が効きやすい
- 色鮮やかになる・・・・切っても変色しにくくなる
- 味が染み込みやすくなる・・・中まで味が染み込む、酢の物に効果的
- たくさん食べれる・・・カサが減る
より、きゅうりを楽しむのであれば塩揉みですね!
できるだけ長持ちする保存方法
残念ながら、きゅうりは冷やしすぎると痛みやすくなってしまうので、あまり日持ちする野菜ではありません。
それでも、次のポイントを押さえれば若干長持ちさせることはできます。
まず、きゅうりを冷蔵庫で保存する際はラップや袋に入れて野菜室に保存しましょう。
そうすることで水々しさと食感を保つことができます。
どうしても長期保存する場合には冷凍保存という方法もあります。
ただし、野菜室での保存より長期保存できることと引き換えに、あのパリッとした食感は失われてしまいます。
ナムルなどにする場合には、冷凍保存が有効でしょう。
まとめ
では、今回のまとめに入りましょう。
- きゅうりはむくみ解消や血圧改善、コレステロール抑制といった様々な健康効果あり
- 更にギネス級の低カロリー
- 加えて脂肪分解効果もあるので、ダイエット食にオススメ!
- きゅうりに含まれるカリウム・ビタミンCは水に弱いので、長く浸さないように!
特に暑い時期は、夏バテで食欲がなくなってしまいがちですが、そんな時こそヘルシーかつ簡単調理でいただけるきゅうりがおすすめ!
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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